退職前(60代)の死亡保険の必要性
定年退職を迎えると、今までの収入がなくなりますので、収入面が大きく変化します。
また、退職前(60代)は間もなく子供が独立する場合や、すでに独立している場合が多いのでライフサイクルも変化していきます。
収入面とライフサイクルの二つの変化に応じて家計の収支を見直す必要が生じ、死亡保険の必要性や加入目的も変化しますので、変化に応じた加入や、見直しが重要となってくるでしょう。
子供の独立や、住宅ローンの完済などで支出は減るので大きな保障は必要なくなる世帯が多いですが、死亡保険が全く必要なくなるということはありません。
定年後の死亡保険の必要性は大きく分けて2つあります。
配偶者の生活費に備える
1つめは、万が一のことが起こった時の葬儀代などの費用と、残された配偶者の生活費の備えです。
65歳から支給される国の老齢年金の支給額は年々減少傾向にあるので、老齢年金だけでは残された配偶者は十分な生活を送ることはかなり厳しいといえます。
残された配偶者の生活費を死亡保険で備えておかないと子供に面倒をみてもらわないと暮らせないという事態が発生してしまいます。
相続税対策に死亡保険を活用
2つめは、相続対策として死亡保険を有効に活用することが可能です。
預貯金や資産はそんなにないから相続対策は大丈夫と思われる人が多いですが、相続問題はだれにでも起こり得る可能性はあります。
遺産分割、節税、納税などの相続に関する対策に死亡保険で備える必要もでてきますので、退職前(60代)には、定年後の家計の見直しを行うとともに相続について一度専門家に相談をし、大まかでいいので自分の財産を把握する必要があります。
退職前(60代)の死亡保険加入の考え方
退職前(60代)の死亡保険加入の考え方として、子供が独立しているか、住宅ローンの完済はすんでいるか、相続対策が必要かによって必要な保障額が大きく異なります。
最低限備えたい保障は、葬儀代などの費用と、残された配偶者の生活費の保障です。
残された配偶者の生活費から配偶者が受け取る老齢年金の支給額を引いた不足分を死亡保険で備えることで残された配偶者の生活は守られます。
退職前(60代)には自分の財産を把握し、必要な場合は相続対策をする必要があります。相続対策は主に3つあります。
1、自分の財産に相続税がかかる場合の納税対策
自分に万が一のことが起こったら残された家族は相続税を一括で納税しないといけなくなるので今のうちに大まかな納税額を把握し、死亡保険で納税額に備えるといいでしょう。
2、相続税をなるべく少なくするための対策
例えば、生前のうちに預貯金のお金を活用して死亡保険に加入することで相続税対象の財産を減らすことになるので相続税の節税対策になります。
財産のほとんどが土地の場合に発生する遺産分割の対策
財産の家(土地)のみの場合、相続人の間で公平に分け合うことはできないので、相続人間でトラブルになる可能性があります。
このようなトラブルに対処するためにも死亡保険で備えるといいでしょう。
退職前(60代)に適した死亡保険
退職前(60代)になると、一定期間必要な保障を備えるというより、一生涯の保障を備える必要があるので退職前(60代)は、葬儀代などの費用、残された配偶者の生活費、相続対策いずれも一生涯備えが必要となるので退職前(60代)に適した死亡保険は終身タイプといえるでしょう。
終身タイプの死亡保険は、通常の毎月保険料を払う方法と、一時払で払ってしまう方法があります。
60代で加入する終身タイプの死亡保険は月々の掛け金が高くなるうえ、健康上の都合で加入できないケースもでてきます。
その点一時払は、健康状態の引き受け基準が通常の終身タイプの死亡保険より低いので退職金を活用して一時払で加入するといいでしょう。